法華玄義 (読み)ほっけげんぎ
ほっけげんぎ【法華玄義】
中国隋代の仏教書。一〇巻。天台大師智顗説、灌頂記。開皇一三年(五九三)成立。法華経(妙法蓮華経)の真意を明らかにしようとしたもの。特に、経題の「妙」と「法」の解明に力がそそがれる。天台三大部の一つ。
出典 精選版 日本国語大辞典
法華玄義 ほっけげんぎ
中国、隋(ずい)代の天台智顗(ちぎ)が講述し、門下の章安灌頂(かんじょう)が筆録した仏書。10巻(各上下20巻)。『妙法蓮華経(みょうほうれんげきょう)玄義』といい、『玄義』と略称する。構成は釈名、顕体、明宗、論用、判教の5章からなり、妙法蓮華経の解釈に事寄せて全仏教を統摂した。ある意味での仏教概論書ともいうべき書で、天台教義の根本をなす「諸法実相」を宗教体験に基づいて説いている。内容は妙法を心・仏・衆生(しゅじょう)の三法から説き、迹門(しゃくもん)・本門の十妙で細説、著名な天台教判とくに蔵・通・別・円の四教で全仏教を解明しているのが特色。
[塩入良道]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
法華玄義 ほっけげんぎ Fa-hua xuan-yi
中国,隋の天台大師智 顗の講述をその弟子,灌頂が筆録したもの。 10巻。正しい名は『妙法蓮華経玄義』。表題の意味は『法華経』の深遠な内容を総論するということで,智 顗が自己の信念に基づいて発表した仏教思想の綱要書。仏教のあらゆる教説を四教五時の基準に従って分類した体系的な性格をもち,法華思想に立脚して天台の教義を確立した。仏教の教説を空,仮 (け) ,中の3つの立場に分け,しかもその3つの立場が同時に一つの心にそなわっているという一心三観の観法によって体系づけたのが四教である。そして釈尊の説法は,華厳時,鹿苑時,方等時,般若時,法華涅槃時の5段階をなしているとして,一見矛盾していると思われる種々の教説を『法華経』を基礎として統合した中国仏教思想の粋である。中国,日本の天台宗の教義はこれに基づいている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典